意外とあいまい?鮭とサーモンの違いについて - MOWI - Japan

意外とあいまい?鮭とサーモンの違いについて

当社はアトランティックサーモンを主に取り扱っておりますが、消費者の方々からよくお聞きするのは「鮭とサーモンって何が違うの?」といったお話。

今回は、今までのマーケティング活動から知り得た、消費者の「鮭とサーモンのイメージ」と当社がご説明している、鮭とサーモンの違いについて、ご紹介します。

消費者の鮭とサーモンのイメージ

当社は試食イベントや消費者調査などのマーケティング活動を継続的に実施してきました。それらを通じて実感しているのは、消費者の方々は「鮭とサーモンの違い」について関心があるということです。

消費者の方々の中でどんなイメージの違いがあるのか、まとめてみました。

【鮭】   日本のもの 生で食べられない 朝食 和食 (日常)

【サーモン】海外のもの 生のまま食べられる 夕食 洋食 (ちょっと高級)

などといったイメージがあげられています。

さらに、店頭での名称もアトランティックサーモン、トラウトサーモン、日本各地のご当地サーモンなどさまざまな魚が「サーモン」と呼ばれており、消費者の方々も混乱してしまっているのではないでしょうか?

果たして鮭と鱒、サーモンの間に違いはあるの?

日本で主に食べられているのは5種で、シロザケ・ベニザケ・ギンザケ・アトランティックサーモン・トラウトサーモン。その他にキングサーモン・カラフトマス・ニジマスも見かけたり、最近では「ご当地サーモン」もブームです。

サーモンと呼ばれる魚に「ニジマス」と表記されてあったり、キングサーモンが「マスノスケ」と呼ばれたり…サーモンのコーナーには、【鮭】【サーモン】【鱒】が大渋滞。「同じようなものだけど、呼び名が違うから何か違うのかな」とお思いの方は、消費者の方々に限らず、販売されている方々にも多いのではないでしょうか?

実は、そのすべては「サケ目サケ科」に分類される仲間。形状、身色、脂のりなどの違いはさまざまありますが、学術的に言えば同じ生物。なので、なかなか「これが鮭、これがサーモン、鱒」と明確な基準を引くことが難しいのが事実です。

なぜ、このようにさまざまな呼び名が生まれたのでしょうか。それには、日本人と“鮭・鱒”の関係が時代に応じて変わり続けてきたことが影響しているのです。

元来、日本人にとって“鮭”とは「シロザケ」、“鱒”とは「サクラマス」「サツキマス」「ビワマス」を示すものでした。しかし、北海道開拓や諸外国との貿易などに伴い、日本人はさまざまな“鮭・鱒”と出会うことになります。

さまざまな種類の“鮭・鱒”とともに、英語での呼称【サーモン】や【トラウト】が日本に輸入され、元来の区分では対応できなくなった結果、呼び名が混合する現在に至ります。

近年、生食可能な“鮭・鱒”が輸入されはじめ、元来の生食できない【鮭】に相対する形で、生食できるものを【サーモン】と呼ぶようになり、現在のざっくりした区分が生まれたと推測されます。

日本で主に食べられている、鮭とサーモンの特徴

シロザケ/チャムサーモン

学名:Oncorhynchus keta

日本で「サケ」と言えば一般的に「白鮭」のことを指します。引き締まったピンク色の身質で、さっぱりと上品な味わいは日本人の味覚にもあうと言われています。

白鮭はその大きい身体のわりに安価なため、レストランや家庭などで幅広く利用されています。

極東から北米カルフォルニア付近まで分布しており、日本ではアキサケ、アキアジと呼ばれ、9月~12月に河川へ遡上し湧水域で産卵します。ふ化した稚魚は翌年春に降海し、日本沿岸、オホーツク海、北太平洋を回遊し回帰します。「鮭児(ケイジ)」「目近(メジカ)」と呼ばれるものも収穫され幻のサケと称して高値で取引されています。

ギンザケ/コーホーサーモン

学名:Oncorhynchus kisutch

輝く銀色の体と鱗を持ち、非常に活動的で身の締まりがよく、きめ細かい繊細な身質。比較的高い脂肪分を備えている。味わいやしっかりとした食感がキングサーモンに似ているともいわれています。保持性に優れ、熱を加えても見色があまり薄くならないのでソテーやムニエル、焼きものや燻製などに最適とされています。

成長が早い事から注目され、1976年、宮城県志津川湾で海面養殖が開始されました。1993年まではアメリカ合衆国からの輸入卵を使用し最盛期の1991年には27000トンあまりが生産されましたが、低価格なチリ産の影響を受け一時低迷。現在はご当地サーモンとして日本各地で養殖がおこなわれており、2017年には14000 トンほど生産されています。

ベニザケ(ヒメマス)

学名:Oncorhynchus nerka

サケ属のなかでは最も細長い体形をしており、淡水域にとどまる陸封型のベニザケは「ヒメマス」と呼びます。カムチャッカ半島、アラスカ、カナダに主に分布しており、北海道ではふ化放流によりベニザケが回帰します。

回遊中のベニザケは、ブルーの背中に黒い斑点があり、わき腹は銀色をしています。しかし、6月~9月に産卵のために母川に遡上してくると、鮮やかな赤に変わり、頭部は緑色に近い色になります。

ベニザケの分布範囲は広いですが、日本には天然のベニザケが恒常的に遡上する河川はありません。消費者に最も好まれるサケ・マス類の一つで、身は脂肪分を多く含み赤みが強く、主な加工法は塩鮭、ルイベ、燻製(スモークサーモン)。特に塩蔵品はサケ類の中でも屈指の美味と言われています。

ヒメマスは湖沼残留型で日本では阿寒湖とチミケップ湖に自然分布していましたが、現在では移植され各地の湖沼にみられます。

タイセイヨウザケ/アトランティックサーモン

学名:Salmo salar Linnaeus

大西洋沿岸の温帯から北極海に分布しています。また陸封型がロシア、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、北米に分布しています。1860年代以降に多くの国に移植され、現在はノルウェー、チリを中心に世界でもっとも広く養殖されており、海生タンパク源として最も重要視されている魚種です。

現在では天然物は商業ベースに乗ることはほとんどなく、市場に出回るほぼ全てのアトランティックサーモンが養殖のため、アニサキスなどの寄生虫の心配もなく、安心して生食できるサケになります。最大の生産国はノルウェーで、日本へは同地から生のまま空輸され、刺身や寿司ネタとして食べられています。

色目はやや薄いですが、良好な食感と、脂のっていて甘みのある味わいが特徴で、汎用性が高いことから生食から加熱調理まで様々な食べ方をされています。

ニジマス/トラウトサーモン(サーモントラウト)

内陸養殖と海面養殖、どちらの養殖も盛んに行われています。おもに内陸養殖はそのままニジマスと呼ばれ、海面養殖はトラウトサーモンもしくはサーモントラウトと呼ばれています。

名前の由来は、サーモン(降海型)とトラウト(陸封型)を掛け合わせたものという意味です。北米とロシアの太平洋沿岸を起源としており、日本へ持ち込まれた時期は古く19世紀後半。また養殖や遊漁の対象として世界各地に移植されています。一生を河・湖川で過ごす淡水型と川と海を回遊する遡河回遊型の2タイプが存在し、後者は英名でsteelhead(スチールヘッド)と呼ばれています。

他のサケ属魚類とは、多回産卵や冬から春に産卵する点で異なります。現在、国内で流通するサケのなかで、刺身、寿司、切身などもっとも汎用的に利用されています。

マスノスケ/キングサーモン

サケ属魚類の中でもっとも冷水を好み、アラスカからカムチャッカ半島にかけての太平洋を中心にオホーツク海、日本海北部に分布します。分布数はアラスカ沖の北太平洋に偏り、日本ではロシアに回帰する一部の個体が、北海道の太平洋沿岸で漁獲されることがありますが、数は多くはありません。ふ化後、海洋で1~5年ほど生活し、多くの個体は4~6年で成熟しますが、オスでは、海洋生活が1年程度とみられる小型早熟の個体が現れます。その後は産卵のため、再び生まれ育った川を目指して遡上します。遡上する距離が1,000kmを超えるものも存在します。
日本で流通するものの多くはアラスカやロシアなどからの輸入ものであり、主な用途は缶詰加工、塩漬けの切り身(焼き魚用)、燻製(スモークサーモン)、刺身などで食べられています。

「毎月30日はサーモンの日」

当社は昨年より「毎月30日はサーモンの日」とした販促活動を実施しています。
〈サーモン=ちょっと高級〉といったイメージを活かし、給料日後にちょっと贅沢したい、という消費者マインドに応えられるよう、毎月30日と設定しました。
将来的には29日の肉の日のようにサーモン消費が定着する日となることをめざしています。

 

「毎月30日はサーモンの日」告知用ポスターと日本で主に食べられている、鮭とサーモン一覧表のデータをご用意しております。店頭展開にご自由にご活用ください。

 

「毎月30日はサーモンの日」告知用ポスターダウンロードはこちらから
日本で主に食べられている、鮭とサーモン一覧表ダウンロードはこちらから

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